食事をがつ食い、早食いするワンちゃんは多いです。
一見すると、「おいしく、元気に食べてくれている!」と嬉しい気持ちにもなりますが、体のことを考えると改善してあげる必要があります。
この記事では、
- なぜ犬が早食いをするのか?
- 食物アレルギーで吐いてしまうこともある
- 早食い・がつ食いの対策
などをお伝えしています。
「愛犬が早食いをして吐いてしまいます…」という場合には、ぜひチェックしてみてくださいね。
犬はなぜ早食いをするのか?
犬はもともと、ガツガツ食べる動物であり、ゆっくり噛んで食べるという習性がありません。
その理由としては2つあります。
1つ目としては、犬は集団で生活する動物でしたので、いち早くお腹を満たす必要があったからです。
ノロノロ食べていると仲間に食事をとられてしまい、食べることができなくなってしまいます。
生きるためには、早食いをする必要があったのですね。
2つ目として、そもそも歯の構造が人と違うことがあります。
人においては、すりつぶすことをメインとした歯の構造となっていますが、犬の場合は裂肉歯(れつにくし)といって、引きちぎることに特化した歯のつくりとなっています。
口を開けてみると、歯が尖っているのが分かりますよね。
引きちぎって丸飲みをするために、結果的に早食いとなってしまうのです。
早食いによるデメリット
早食いは、健康に対していくつかの悪影響を及ぼすことがあります。
太りやすい
人でも、『早食いは太りやすい』と言いますよね。
これは犬でも同じです。
早食いは満足感が得られにくいため、いつもおねだりをしてしまう状況の子が多いです。
飼い主さんも「足りないのかな…?」と思ってさらにあげることで、太ってしまうという悪循環が乗じます。
詰まって窒息してしまうこともある
早食いをすることで、食べ物がのどに詰まってしまうことがあります。
場合によっては、息ができなくなり、そのまま亡くなってしまうというケースも。
以前あったのは、普段から早食いの子が、人のおにぎりを盗み食いして、一瞬で窒息死してしまったという例です。
また、リンゴや梨を勢いよく食べて、食道に詰まってしまい、呼吸がしづらくなるという例も度々発生します。
歯周病になりやすくなる
基本的に、ドライフードの方がウェットフードよりも歯周病になりづらいと言われています。
なぜなら、ドライフードを食べる際には、ある程度の咀嚼をするからです。
噛むことで唾液が出て、これは口腔内の細菌を洗い流す役割があるので、口腔環境をきれいに保つことができます。
粒をあえて大きくすることで咀嚼回数を増やし、歯周病対策ができるというドッグフードもあります。
胃拡張、胃捻転
早食いをする子は、空気も一緒に飲み込んでおり、またその後に水をがぶ飲みする傾向にもあります。
そのため、胃が大きく拡張して、胃拡張や胃捻転を引き起こしてしまうことがあります。
この病気は早急に治療を行わなければ(もしくは治療を行っても)予後が悪い傾向にあり、早食いしない、食後に運動をしないなどの対策をして発症のリスクを低減させる必要があります。
一般的には、グレートデンやジャーマンシェパードなどの胸の深い大型犬での発生が多いとされています。
栄養が摂れない
早食いにより、そのまま吐いてしまうことはよくみられます。
この場合、栄養が上手に摂れず、削痩してくることもあります。
吐き癖がついてしまう
早食いをしてそのままゲーっと吐いてしまった場合には、吐き癖がついてしまうこともあります。
吐きが続くと胃腸に炎症が生じ、それが起因となり別の病気を引き起こすこともあります。
早食いを防止する方法
早食いを防止する方法はいくつかあります。
早食い防止グッズを用いる
早食いをしてしまう犬は多いですので、それに対するグッズも多く販売されています。
例えば、凹凸のある食器の場合には、食べるのに時間がかかります。
また、おもちゃの中にエサを入れて遊びながら食べるという商品もあります。
こういったグッズを使わなくとも、ばらまいて食事をあげることで、早食いの防止が可能となります。
食事の回数を分ける
食事の回数を分けてあげることで、一回当たりの食事量を減らすことができ、例えがっついた場合でも胃腸への負担を軽減できます。
さらに一回ごとの食事においても、一粒ずつ食事を与えることで早食いを防止することも可能です。
多頭飼いの場合には、食事の場所を変える
「他の犬に取られまい!」と思って早食いをしている子の場合には、食事の場所を変えてあげることも方法の一つです。
食事の変更も考慮に
食後に毎回吐いてしまう場合には、食事がその子に合っていない可能性もあります。
主治医の先生とご相談の上、食事の変更も考慮に入れましょう。
食物アレルギーで吐いてしまっている場合もあり
食物アレルギーが原因で吐いたり、下痢をしてしまうこともあります。
犬の食物アレルギーの場合には、消化器症状のみならず、かゆみや皮膚の赤み、外耳炎などの皮膚の症状が一緒に現れることが多いです。
食物アレルギーと診断するためには、血液検査や糞便検査、画像検査などを行い、「食物アレルギー以外の疾患がないか?」をしっかりチェックする必要があります。
その後、『除去食試験』と言って食物アレルゲンを含まない食事を与えることで皮膚症状が改善するかを確認する試験を行います。
食物アレルギーの場合には、食物アレルゲンを避けることで、通常8週間程度で皮膚症状が改善します。
除去食試験により皮膚症状の改善を認めた場合、さらに『食物負荷試験』と言う検査を行います。
これは、以前の食事に戻すことで皮膚症状の再燃の確認を行い、以前の食事に対する食物アレルギーを確定診断することができるといった試験です。
また、除去食試験で使用した食事に、疑わしい食材を1つずつ添加していくことによって真のアレルゲンとなる食物成分の特定が可能となります。
食物負荷試験では、一般的に2週間以内に皮膚症状の再燃が認められると言われています。
【まとめ】愛犬の食事の早食いやその後の嘔吐について
犬は本能的に早食いをする動物です。
ただし、対策をしてあげないと、体に負担がかかってしまうことがあります。
食事のあげ方や種類、早食い防止グッズなどを通して、早めに対策するようにしましょう!